前回はクリスマスソングを10曲紹介しました。
今回は冬全般にお聞きいただけるオールタイムセレクトとなっています。
お正月に聞いても、バレンタインに聞いても、もちろんクリスマスに聞いても大丈夫なウインターソングを選びました。
「フォー・ノー・ワン/ ザ・ビートルズ / 1966年」
名盤「リヴァルバー」の中の一曲。取り立ててシングルカットをされたわけでもないが、ファンからの人気は高い。メンバーであるジョン・レノンからも「ポールの曲の中で一番好きな曲の一つ」であると評価されている。
「アイム・ノット・イン・ラヴ / 10cc / 1975年」
再生されてすぐ耳に入ってくる重厚なコーラスが印象的。メロトロンではなく、テープ編集によるバックコーラスとゆらゆらと揺れるエレクトリックピアノはその後のバラードの雛形となり、影響を受けた曲も数知れない。
「素顔のままで / ビリー・ジョエル / 1977年」
自身初めてのトップ10入りとなったビリー・ジョエル初期の名曲。間奏のサックスの演奏がこの曲の価値をさらに高めている。ブルーノ・マーズが同名の楽曲を発表しているがまったく別の曲のため注意。
「テル・ミー・ホワイ / ニール・ヤング / 1970年」
「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」の冒頭に収録されている。アコースティックギターのみで奏でられる優しいメロディーは暖炉(石油ストーブ)のそばで聞くのに最適だろう。
「モーター・オブ・ラヴ / ポール・マッカートニー / 1989年」
ポールが新たな刺激を求めてエルヴィス・コステロとコンビを組んだ「フラワーズ・イン・ザ・ダート」アナログ盤における最後の一曲。「父なる神も空から…」というくだりは「レット・イット・ビー」の「母なるメアリーが現れて…」という部分と対になっている。
「リグレット / ニュー・オーダー / 1993年」
「テクニーク」以来沈黙していたニュー・オーダーの復帰作「リパブリック」からの一曲。イントロのギターの瑞々しさから分かるように久しぶりとはいえしっかりとサウンド面は時代に合わせており、まさに会心の一曲といったところ。
「駅は今、朝の中 / ムーンライダーズ / 1985年」
プロデュースをリーダーの鈴木慶一自身が行い、しまいにはうつ病になってしまったという名盤「アニマル・インデックス」からの曲。エヴァンゲリオンを制作している人間の一人である貞本義行がムーンライダーズのファンであることと関係があるのかは分からないが、アニメ版第四話のセリフに本曲から歌詞が少し改変されて引用されている。
「イッツ・ユー / ミレニウム / 1968年」
ブライアン・ウィルソンと双璧を成すと言われた天才カート・ベッチャー率いるスタジオミュージシャンによるバンド、ミレニウムの「ビギン」からのシングルカット。煌びやかなアコースティックギターの音色が気持ちいい曲。イントロの耳を奪われる音は咳の音を左右に振っているという。
「オー・キャロライン / マッチング・モール / 1972年」
カンタベリー系を代表するソフト・マシーンを脱退したドラマーのロバート・ワイアットが自分のやりたいことを追求するために立ち上げたプロジェクト、マッチング・モールのシングル曲。ワイアットの繊細な歌声とメロトロンの儚い音がとてもマッチしている。2枚のアルバムをリリースしたワイアットはその後、テキーラで酔っ払い4階の窓から転落、下半身不随になってしまいドラマーの道を諦めた。
「モーション・ピクチャー・サウンドトラック / レディオヘッド / 2000年」
発売時、全世界を巻き込んで大論争が起こったレディオヘッド「キッドA」クロージングナンバー。ハーモニウムとサンプリングされたハープの響きが美しい。メンバーはビートルズの「グッド・ナイト」から影響を受けたと語っている。終了後しばらく待ってみると…。