6月に横浜で開催された第10回日本認知症予防学会学術集会で、日本認知症予防学会と林野庁の協働の取り組みをコーディネートさせていただきました。
日本認知症予防学会学術集会で「音楽」や「森林浴療法」のセッションを企画しました。
林野庁では、森林空間を健康、観光、教育等の多様な分野で活用する「森林サービス産業」という取り組みを打ち出しており、森林でのアクティビティを通した健康効果をエヴィデンスとして提供する取り組みを始めています。
森林からは「フィトンチッド」と総称されるアロマ成分が湧出しており、ストレスの低減、血圧の低下、認知機能の改善などの効果があり、認知症予防にもつながることがわかってきています。
複数の社会課題を同時解決!
当法人ではSDGsの普及啓発を通して社会課題の改善を目指していますが、SDGsにおいて大切なのはそれぞれのゴールを同時に解決すること。日本社会でその達成の障害となるのが「縦割り行政」です。
林野庁と日本認知症予防学会が縦割りを越えて手を組めば、日本全国にある森林が認知症予防に貢献する取り組みが広がり、森を訪れて健康になる人が増え、山村の活性化に向けた「関係人口」の創出・拡大も期待されます。
日本政府も現在、ストレスや孤立などを感じている人に対し、薬の代わりに当事者団体を紹介したり、音楽や美術などのアート、森や山などの自然資源をつなぐことで、生き甲斐や社会参加の機会を生み出す「社会的処方」を検討していると言われます。
森林浴が「社会的処方」の対象となるためにはエヴィデンスが重要となります。まずはそのための基盤づくりの協働作業が始まっていきます。
当法人が取り組むSDGsで言えば、次の5つのゴールをつなぐ取り組みとなります。
ゴール3「すべての人に健康と福祉を」
ゴール11「住み続けられるまちづくりを」
ゴール13「気候変動に具体的な対策を」
ゴール15「陸の豊かさも守ろう」
ゴール17「パートナーシップで目標を達成しよう」
森林を健全に保つことで、地球温暖化防止に貢献し、水害などの災害を防ぎ、人々の健康に貢献する。
そんな「環境」と「社会的包摂」がつながっていく社会に向け、共にがんばっていきたいと思っています。
ライツフォーグリーン取締役 上岡 裕