新型コロナ感染症による外出自粛のおかげで高齢者の運動量が減少していることが伝えられています。その結果、フレイルや認知症の発生が増えるのではないかという不安が広がっています。
実際のところ、認知症を予防する運動は自宅でできる簡単なものがほとんどです。高齢者の皆さんには是非、チャレンジしていただきたいと思っています。
若い頃に運動をしていた60歳の自分はその運動では物足りない。もうちょっとハードに運動を楽しみたい。
そう思っていた頃に出会ったのがNintendoのSwitchというゲーム機で楽しめるリングフィットアドベンチャーというゲームでした。
このゲームを始めたのは新型コロナが騒がれ始めた3月の中頃でした。
自分もコロナによる影響でほとんど外出しなくなり、家に閉じこもってリモートで仕事をするようになりました。そうした変化にずっと寄り添ってくれたのがこのリングフィットアドベンチャーでした。
毎朝30分、持久力と筋力を養うトレーニングを楽しみ、8カ月にわたってゲームを攻略して来ました。その結果、20代のような筋肉質のカラダをとりもどしています。
3日坊主の自分がこんなに長く一つのことを続けられたのはまさにゲームを攻略する楽しさがあったからだと言えるでしょう。
認知症の予防は早く取り組んだ方が大きな効果が得られますが、50代60代のシニアにとって認知症予防にはまだリアリティがありません。ゲームを楽しむことが生活習慣病の改善につながり、認知症を予防できるなら、多くの人がチャレンジできるのではないでしょうか
ゲーム的要素をとり入れて社会課題を解決することをゲーミフィケーションといいますが、リングフィットアドベンチャーは見事なゲーミフィケーションのツールだと言えると思います。
また、それまでの社会を大きく変える取り組みをゲームチェンジャーと言います。
このゲームはそんなゲームチェンジャーでもあり、認知症予防の運動のあり方が変わるきっかけにもなるものだと思っています。
体験・文 / 上岡裕