薬物使用がある人に向けられる、さまざまなスティグマがあります。
そのなかに薬物の違法性に関係するものもあれば、ジェンダーに関係するものもあります。男性の方が、より違法の薬物を使う傾向にあるけれど、女性のほうが市販薬や処方薬を使う傾向は高く、社会的なスティグマなどの影響で、早く薬物依存症になりやすい、と国連は指摘しています。
市販薬や処方薬のユーザーに関わるなかで、多層化するスティグマを目の当たりにします。そのなかにはジェンダーに関連するスティグマもあって、それは数十年以上見過ごされてきたものです。
いまやハームリダクションにおいては、薬物政策にジェンダー平等を求めるアドボカシーは不可欠な事項となっています。それ無しで、健康や人権を重視した薬物政策は成立し得ないのです。
多層化するスティグマがあることを学び認識を深めるなかで、あらゆるスティグマの解消を目指すために協働することを、ハームリダクションは教えてくれます。