昨年末、認知症で特別養護老人ホームに長くお世話になっていた父が92歳で亡くなりました。
親が他界をするということ。
いつかこの日が来るだろうと心の準備はしていましたが、両親が二人とも認知症になって同じ施設に入所したこと、さらに感染拡大が止まらない新型コロナへの対応など、自分が思い描いた予想とは全く違った世界が展開していきます。
嵐のようなこの時期をどのようにやり過ごすか。
自分と同じ体験をする方のために記録として残しておこうと思います。
告知の日は突然に!
6年ほど前に介護施設に入所した父。認知症が進行した以外はこれといった大きな病気もせずに過ごして来ました。それが変わって来たのが昨年の12月からのことです。
その最初の報告は食事をすると熱が出るようになったことでした。熱が出るような時には点滴に変え、食事と点滴を併用するようにすると連絡が入ります。
3月に母が父と同じ施設に入所してから父にも母にも8カ月程度会ってはいません。どんな状況なのかもたしかめることもできず、その方向で処置をしてもらうようにしました。
そして運命の12月16日。
前日に施設の相談員の方から連絡が入ります。明日、担当医からお話をすることがあるので施設を訪問してくださいと伝えられます。
この電話でいよいよ父との別れが近づいていると感じました。家族ともそろそろ心の準備をした方がいいねと語りあいます。
「食事をするとお父さんが熱を出すので、これからは点滴のみの治療となります。こういう状態になった場合、これまでの経験上、お父さんの命は長くて半年の命かと思われます」
こんな告知をお医者さんから告げられます。その後、相談員の方からの話があり、看取りの体制に変えるのでお葬式の準備をしておいてくださいとのことでした。
余命半年。
かなりショックな告知でしたが、9カ月ぶりにガラス越しで会った父がまだ生命力を残してくれていました。その姿を見て安心した私は3ヶ月くらいは頑張ってくれるだろうと思い込み、ぼちぼち準備を始めることにしました。
文 / 上岡裕
根岸 梅太郎
御愁傷様です。ご冥福をお祈り申し上げます。