3年前に本格的にマダガスカル支援を始めてからSDGsの事業に関わることが多くなった。
長野県で実施している環境省SDGs事業では里山再生事業から生まれる間伐材を障がい者とともに「ログファイヤー」という木ろうそくに加工することにチャレンジした。
その際に集まってもらったのは地元自治体の保健、農政、商工観光の担当者、障がい者施設、NPOの仲間たちだった。地域の課題を解決する事業を立ち上げるためには様々なステークホルダーに参画してもらう必要がある。こうしたセクターを越えたアプローチができなければ持続的な事業にはつながらない。
こうした取り組みはマルチセクターアプローチと言われ、貧困や飢餓に苦しむ途上国の栄養改善事業などの際に活用される。子どもたちの栄養状況を改善するためには、保健、農業、エネルギー、教育など、様々なセクターが協力しなければ達成できない。エコロジーオンラインのマダガスカル支援も、僕らだけでなく、大使館、マダガスカル政府、企業、地域の行政機関、学校、NGO、メディアなどのパートナーが関わる。
先進諸国においては経済協力開発機構 (OECD)がSDGsを活用して地域開発パラダイムの移行を呼びかけている。新しいパラダイムの核となるのが、このマルチセクターアプローチや、地域の環境にあわせた手段と介入、ボトムアップ型の政策決定と実施などがあげられている。
世界に脅威を与えるコロナウイルスへの対応についてもマルチセクターによる取り組みが重要になる。各国政府、企業による取り組みも大切だが、パニックや差別、経済的困窮者を生まない社会をつくるためには私たち市民にも大きな役割がある。
マダガスカル支援についても森づくりの楽曲が生まれたり、本格的な植林活動がスタートして新たなる段階に入る。マルチセクターアプローチについてはエコロジーオンラインやライツフォーグリーンの活動を通してさらなるチャレンジをしていきたいと思っている。