
失語症に関して、仕事を通したリハビリを勧めてくれたのは認知症予防で連携する先生でした。
その言葉に勇気をもらい、不器用ながらネット会議や対面でも打合せで発言を始めました。状況を知っている仕事相手や仲間たちは、自分の発言を温かく待ってくれて、なんとか自分の言いたい事を理解してもらい、様々な打合せもこなす事ができています。皆さんには感謝しかありません。
これはあとから家族に聞いた話ですが、音楽を聴くと脳梗塞の予後が良いということで、入院中に息子が自分用のプレイリストをつくってくれていました。
自分がソニーミュージックで担当した大江千里さんや佐野元春さん、エレファントカシマシなどを中心にしたプレイリスト。これがその後の順調な回復につながったのかもしれないと思っています。
失語症は「話す」「聞く」「読む」「書く」などに支障をきたし、日常生活に大きな影響をもたらします。
たとえば選挙です。民主主義の基本である選挙ですが、失語症の自分にとっては人の名前を書くことに時間がかかる。最初はひらがなさえよく判別できない状態。障がいを持つことが様々のハードルを生むことを初めて自分ごととして理解できました。
NPOの打ち合わせなどに対面で参加する事も増えて来ましたが、メモをとろうしている間に議論が進んでしまいます。こんな状況では普通の仕事は到底無理と悲しくなりましたが、ネット会議になるとちょっと状況が変わります。
自分は今後どうしたら良い?と悩む間にAIが環境を爆速で整えていきます。気づくと簡単な議事録が会議終了時には用意されるようになっていました。
自分がメモ書きをしていた時代とくらべて、若干の間違いはあるもののわかりやすい議事録が上がって来ます。
音楽とAIが自分の回復の鍵になるかも?と思い始めた頃、姉から、失語症をテーマに当事者研究をやってみない?という誘いが舞い込んできました。
次に続く。。。
