
2024年3月、感染性心内膜炎をきっかけに脳卒中にかかり、自治医大病院に入院して仕事ができなくなりました。そのころは命も危うい状態でしたが、このさき何ができるのか悩み始めました。
エコロジーオンラインの新規事業でメタバースやWeb3の取り組みに興味は持っていましたが、どれも形になるには時間がかかりそうだと思っていました。生成AIについても著作権の問題があって二の足を踏んでいました。
入院してしばらく経つと「話す」「聞く」「読む」「書く」の機能が失われた事がわかってきました。看護師さんにトイレに行きたいことが伝えられない、顔を拭くのにタオルを取ってくださいと言えない。これまで環境NPOとして25年以上に渡り、海外の環境ニュースを翻訳してWEBで発信したり、企業のSDGsの取り組みをラジオでおしゃべりしたり、様々な事業を手がけて来ましたが、それももう終わりかなと思う日々でした。
真っ暗闇の中になってしまった人生の中でただ一つ残ったのが生成AIの活用です。言葉が出ないなかで必死に家族に伝えたのが生成AIを使った記事づくりでした。
2ヶ月に渡った入院生活を終え、6月から失語症との本格的な闘いが始まりました。エコロジーオンラインの活動は日本だけでなく世界の仲間たちと幅広く協働して進めている事業が多いので、現役復帰にはかなり苦労がいるだろうと思っていました。ただ、リハビリを担当する言語聴覚士の先生たちは必死に気候変動の様子を伝えようとする自分に早めの現役復帰の可能性を感じていたようでした。
6月下旬にリハビリが始まり、エコロジーオンラインの仕事も同時にスタート。高次脳機能障害を背負いながらの仕事復帰です。思いが伝えられないもどかしさで、不安定な日々を過ごしている頃、認知症予防で連携していた先生がこんな示唆をしてくれたのです。
「上岡さんは仕事をすることがリハビリにつながると思うよ」と。
次に続く。。。
