RADIO BERRYで放送中の「ミュージックメモリー 〜音楽のSDGs」担当のケンです。
今日ご紹介するのは布施明「君は薔薇より美しい」です。
「変わった~~~~!」という他を寄せ付けない布施明の圧倒的な声量が印象的な布施明の代表曲として有名な曲ですが、もとはとある企業のコマーシャルソングでした。
「布施明はイタリアの歌手、ボビー・ロスのカバー「君に涙とほほえみを」でデビュー。
すでに新人歌手とは思えないカンツォーネ風の豪快な歌を披露していますが、なんとこの時カンツォーネを歌ったのはこれが初めて!
この経験をヒントに山を舞台にカンツォーネ風の曲を作ろうとしたことがきっかけで生まれたのが「霧の摩周湖」という名曲が生まれました。
その後も「愛は不死鳥」「積木の部屋」、などヒットを飛ばしていた彼が1979年に発表したのが「君は薔薇より美しい」でした。
作曲はミッキー吉野、演奏は吉野が参加していたバンド「ゴダイゴ」。
日本人離れした歌唱力と言われた布施明と日本人離れした演奏力と言われたゴダイゴ、この両者ががっぷり四つになって組み合った結果としてこの邦楽最高峰のバラードが生まれたんですね。
そもそもなぜ、急に彼が薔薇の歌を歌ったのかといえば、カネボウ化粧品のタイアップが「薔薇」をテーマとしていたからでした。
もとは当時ライバル関係にあった資生堂が人気漫画「ベルサイユのばら」を本当のベルサイユ宮殿で撮影、実写映画化するという大博打を打ち、対するカネボウもそれを同じ「薔薇」で迎え撃ったため、この戦いは世間では「薔薇戦争」と呼ばれました。
さて戦いの結果はというと、大博打を打った資生堂は実写映画の興行が失敗に終わり、迎え撃ったカネボウは「君は薔薇より美しい」で大成功をおさめ、布施明はCMに出演していた女優オリヴィア・ハッセーと結婚。
「薔薇戦争」はカネボウの勝利で幕を閉じたのでした。
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