RADIO BERRYで放送中の「ミュージックメモリー 〜音楽のSDGs」担当のケンです。
今日ご紹介するのは篠原ともえ「ウルトラ リラックス」です。
彼女はこれまでにない斬新な不思議キャラで話題になり、またその独特なファッションスタイルは「シノラー」と呼ばれる大量のフォロワーを生み出し、社会現象になりました。
デビュー曲は電気グルーヴの石野卓球が作曲した「チャイム」。
アイドルにしてはやたら激しい曲調は当時の電気グルーヴがテクノユニット「ハードフロア」の激しい作風に影響を受けたためと思われます。
この頃からすでに自由奔放な歌を披露していますが、サビでは大人びた歌声を見せ、デビュー曲ながらすでに彼女の器用さがうかがえます。
この曲が収録されたデビューアルバム「スーパーモデル」は前述の石野卓球によるアシッドテクノ歌謡に加えて、所々に「篠原のコト、スキー?」という確認があったり、かと思えば急にシリアスな曲が入ってくるなど、イロモノとみなして油断してきた人を見返すかと思いきやそのまま迷路に閉じ込める奇怪な名盤として知られています。
ぜひ、聴きましょう。
「ウルトラ リラックス」はテレビアニメ『こどものおもちゃ』の後期オープニングとして発表された曲で、「スーパーモデル」には入ってはいませんが、篠原の独特な言語感覚と石野の硬質なトラックがこれまで以上にかみ合ったアシッドアイドル歌謡の最高傑作と名高い名曲です。
残念ながらこの曲を最後に石野卓球のもとを離れて活動していく篠原ともえですが、その後は元々あこがれていたファッションデザイナーに向けた活動を本格的にはじめ、クリエイティブスタジオ株式会社「STUDEO」を設立。
大量の「シノラー」を生み出した彼女は次の「スーパーモデル」を生み出すファッションデザイナーになったのでした。
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